『あやとり』千種創一

装幀:名久井直子

上製本・四六判変形(115x188mm)

人と人を結ぶ糸は永遠だ、って錯覚してしまうのはなぜだろう。
人々の消えゆく言葉と記憶を書き留める、『砂丘律』『千夜曳獏』に続くコンセプチュアルな歌集。戦争体験者への取材に基づく連作「つぐ」や、尾張藩主の御巡覧と伴走した「知多廻行録」を含む265首を収録。

—あなたは僕の幽霊に、僕はあなたの幽霊に、雪の手紙を書いていたんだ
—言葉ってすっごく永く香るから いま潮風に手帳ふくらむ
—伝えねば、否、伝わるような苦痛であってたまるかの、花、渡さねば

表紙

表1

表紙のあやとりの模様は押し加工+赤い箔で表現されています。押し加工は通常よりも深く押されているように見えます黒い用紙に余計なものを排除したシンプルな上製本からは静謐な佇まいを感じます
均一の押し加工ではなく、糸の模様のように細かい凹凸があります。本物の糸のようです
黒の用紙に怪しく赤く光るあやとりは楽しい遊びとしてのあやとりではなく、人と人とをつなぎとめる運命の赤い糸のように感じられます
タイトル・著者名には銀の箔押しがされています。豪華仕様
スピン(栞紐)はなんと2本!ここでもあやとりを表現されています
帯付き。カバーはなく、上製本の表紙と帯で構成されています

表4

表1だけでなく表4にも同じく押し加工+赤の箔が施されています
帯付き。表紙には余計なものを配置せず、バーコードや書誌データは帯にあります

背表紙

背表紙にも押し加工+赤&銀の箔が施されています
帯付き

本文

見返し用紙
化粧扉。赤い糸は盛り上がっていて、紙に糸を貼り付けたようにしか見えません。どういう加工なのでしょうか。すごいです!
化粧扉は和紙のような紙質です
総扉
冒頭の祈り
目次。5つの章から成っています
章扉
短歌ページ
短歌ページ
短歌ページ
あとがき
著者紹介と奥付
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